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若年性認知症数は全国3万7800人


若年性認知症数は全国3万7800人

厚生労働省は3月、若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要および若年性認知症対策について公表した。これによると18-64歳の若年性認知症者数は、人口10万人当たり47.6人。全国における若年性認知症者数は、3万7800人と推計された。詳細は以下の通り。

資料「若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について」
【調査目的】
・今後の若年性認知症(65歳未満で発症)に対する施策の基礎データの構築
・2006年度から2008年度の3年間において、若年性認知症(65歳未満で発症)について、疫学的な実態等問題に関する調査を実施した。

 【有病率に関する推計結果】
(1)若年性(18-64歳)認知症者数は、人口10万人当たり47.6人(男性57.8人、女性36.7人)
(2)全国における若年性認知症者数は3万7800人と推計された。
(3)30歳以降の認知症全体の有病率は、5歳あがるごとにほぼ倍増する傾向があった。
(4)基礎疾患として、脳血管性認知症(39.8%)、アルツハイマー病(25.4%)が多く、頭部外傷後遺症(7.7%)、前頭側頭葉変性症(3.7%)、アルコール性認知症(3.5%)、レビー小体型認知症(3.0%)と続く。
(5)推定発症年齢の平均は、51.3±9.8歳(男性51.1±9.8歳、女性51.6±9.6歳)。

【厚生労働省における若年性認知症対策】
若年性認知症者一人ひとりの状態に応じた適切な支援ができるよう、若年性認知症対策の推進に関する3部局長連名通知(職業安定局高齢・障害者雇用対策部長、社会・援護局障害保健福祉部長、老健局長連名通知)等を発出した。

 【通知の概要】
■各行政部局、サービス事業者その他の関係団体等が相互に若年性認知症対策に関する理解を深め、有機的な連携の下で、一人ひとりの状態に応じた多様なサービスが総合的に提供されるよう積極的に努めること。
(1)認知症疾患医療センターにおける確定診断や、自立支援医療(精神通院医療費)による健康保険の自己負担軽減等の医療的な支援
(2)精神障害者保健福祉手帳の取得による支援
(3)障害基礎年金等による経済的な支援
(4)就労移行支援事業や就労継続支援事業等の日中活動、行動援護等の訪問、ケアホーム等の居住等障害福祉サービスによる支援
(5)障害者雇用率への算定、障害者雇用納付金制度に基づく助成金の支給、職業リハビリテーションサービス等障害者雇用施策による支援
(6)40歳以上の若年性認知症者に対する認知症専用のデイサービスやグループホーム等のサービスを提供する介護保険サービスによる支援

■2009年度から以下の国庫補助事業や介護報酬加算を創設。若年性認知症に関する相談体制や関係者の連携体制の強化、介護保険施設等の若年性認知症者の受入れの促進を積極的に図ること。
(1)若年性認知症に関して、誰でも気軽に相談できる若年性認知症コールセンターを全国1か所に開設(2009年10月開設予定)
(2)地域包括支援センターに配置された認知症連携担当者が、若年性認知症者一人ひとりの状態や本人・家族等の要望を踏まえ、適切な支援施策の活用を支援
(3)若年性認知症者の発症初期から高齢期までの各期において、適切な支援につなぐため、都道府県等に若年性認知症自立支援ネットワークを構築するとともに、活用可能な施策等について広報・啓発を実施
(4)若年性認知症の身体機能やニーズにあったケアの研究のための若年性認知症ケア・モデル事業を実施(5)介護報酬改定において、若年性認知症を受け入れた介護保険施設・事業所を評価する「若年性認知症利用者受入加算」を創設

※詳細は、厚生労働省ホームページの報道発表資料(2009年3月19日付け)をご覧下さい。