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ケアマネジャーの歴史


ケアマネジャーの歴史

ケアマネジャーという職種が創設されたのは、2000年の介護保険法の施行と同時期である。
ケアマネジャーの主たる仕事である、「ケアマネージメント」または「ケースマネージメント」という作業は、以前は社会福祉士や社会福祉主事といった人たちが、自分の仕事の中で行っていた。この仕事が、介護保険の中で、正式に「介護支援サービス」として組み込まれ、「介護支援サービス」を提供する専門職としてケアマネジャーが誕生した。この「相談援助業務」に対して、公的な制度で報酬が認められたのは介護保険が初めてのことである。 

ケアマネジャー・介護保険法ができた背景

ケアマネジャーの歴史は、介護保険法と共に歩んでいる。ゆえに、介護保険法のことも触れたい。そもそも、介護保険法は、日本の高齢化が急激に進んだことで施行された制度である。国の人口に対して65歳以上の人の占める割合を、高齢化率といい、その数字が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」という。欧米をはじめ多くの先進国がすでに高齢社会になっているがそれらの国の多くは、何十年もかけてゆるやかに変化している。だが、日本の場合、1970年に高齢化が始まり、わずか24年で高齢社会に突入。現在は、少子化と相まって、「超高齢化社会」へと驀進している。この急激な変化により、即急な対応が必要になり、介護保険法は施行されたのである。 

ケアマネジャー・介護保険法の誕生

急激な高齢社会への変化により、誕生したケアマネジャーは当初は、その役割が十分に理解されず、「介護保険で給付管理をする人」と誤解された時期もあった。また、制度を利用して悪事を働く業者も出てきた。65歳以上の高齢者を見つけ、介護保険の申請や認定調査も代行。自分で外出できるような人を寝たきりに見せかけ、「要介護5」などの認定を受けた後、限度額いっぱいのサービスをしたように見せかけ、介護費用を騙し取るといった悪辣なケースが何件も摘発された。これが可能であった理由は、ケアマネジャーと訪問介護などのサービス提供業者が結託したためであった。

 

介護保険法の改正

2000年4月にはじめて介護保険法が施行された際、厚生省(現厚生労働省)の担当者自身が「走りながら考える」と言ったほど、多くの問題を孕んだままの見切り発車であった。ケアマネジャーの業務体制も例外ではなく、さまざまな矛盾が噴出してきた。そこで2006年に大幅な見直しが行われた。この改正では、ケアマネジャーの資格が5年ごとの更新制となり、新たに主任ケアマネジャーの資格が設立された。ケアプランの作成の報酬は要介護度別に設定され、一人あたりの受け持ち数が多くならないように工夫された。